ダナイ・コツァキ Danai Kotsaki
ギリシャ出身・在住
ジャンル|彫刻、インスタレーション、陶芸、ガラスアート、バイオアート、ミクスドメディア
滞在期間|2025年9月1日(月)~11月29日(月)/90日間
ウェブサイト ▶
https://vimeo.com/danai
<プロフィール>
ギリシャ出身のヴィジュアルアーティスト。自然やテクノロジー、物質の変容が交差する領域を探求し、彫刻や陶芸、バイオアート、インスタレーションなど多様な手法を用いて、有機的なものと工業的なものが融合したハイブリッドな形態の作品を制作している。
近年の作品では、「水」を重要な要素として扱い、それを普遍的な象徴として、また神話や伝承、文化的信仰を運ぶ存在として表現している。また、ミクロとマクロのスケール感の違いや、「空間の中の空間」という概念に注目し、時に生きたシステムや微小な生態系を取り入れながら制作している。
科学的なリサーチや伝統的な工芸技術にも着想を得ながら、「共生」「適応」「自然とのつながり」「記憶」といったテーマを反映した彫刻的空間を創り出す。実験的な手法を通じて、種やシステムの枠を越えた「変化」と「共存」について、詩的でありながら批評的な空間を創造することを目指している。
<滞在制作プラン>
滞在期間中、《Anthologium(アンソロジウム)》という彫刻プロジェクトに取り組みます。これは、葉や花、植物、自然の残骸など、新潟の土地に根ざした植物を採集・保存し、それらをガラス、金属、陶などの素材に取り込むことで構成されます。このプロセスは、植物の素材が繊細で持続するかたちへと変化していく過程を通じて、「保存」と「儚さ」のあいだの対話を探るものです。
ガラス・金属・陶土といった素材において、伝統的かつ実験的な技法の両方を用いることで、素材の表現を広げつつ、新潟の自然環境への応答として制作を行います。あわせて、日本のミニチュアの庭園や景観の芸術にも関心を向け、それらの技法を調査・探求します。これらの知見は、生きた要素と人工的な要素が融合したハイブリッドな彫刻的エコシステムの制作に反映され、自然・文化・素材の関係性を深めるための研究の一環となります。
滞在制作の集大成として、これらの素材的な探究をもとにインスタレーションを構成し、自然と人工、そして変容というテーマを新潟の風土の中で問い直す彫刻作品群を発表する予定です。